【薬剤師の独立】薬局を開設するための要件と保健所申請の流れ

将来的に自身の薬局を持ちたいと考えている薬剤師の方や、調剤薬局の分院・新規展開を検討している事業者様にとって、「薬局開設許可」の手続きは独立・開業に向けた最初の大きなハードルとなります。
薬局の開設には、単に物件を借りて調剤機器を揃えるだけでなく、薬機法(医薬品医療機器等法)で定められた厳格な基準をクリアし、保健所の許可を得る必要があります。
本記事では、独立して薬局を開設するための必須要件と、事前相談から開設までの具体的な手続きの流れを分かりやすく解説します。
1. 薬局開設許可を取得するための3つの必須要件
薬局を開設するためには、大きく分けて「場所(構造設備)」「人(人員体制)」「資金・管理体制」の3つの要件を満たす必要があります。
① 構造設備要件(店舗の基準)
薬局としての機能を果たすため、調剤室や受付スペースの広さ・構造に厳しい基準が設けられています。
- 調剤室の面積: 原則として6.6平方メートル以上の広さが必要です。
- 区画の分離: 居住スペースや他の店舗(クリニックや一般店舗など)と明確に壁や扉で仕切られている必要があります。
- 設備・衛生面: 換気設備、採光、手洗い設備、施錠できる医薬品金庫(麻薬庫など)が整っていること。
② 人員要件(管理薬剤師等の配置)
薬局には、管理責任者となる「管理薬剤師」を必ず1名配置しなければなりません。
- 専任性: 管理薬剤師はその薬局に常勤し、原則として他店舗や他業務との兼任は認められません。
- 必要人数の確保: 処方箋枚数や取扱業務に応じて、必要な人数の薬剤師・医療事務スタッフを配置する必要があります。
③ 欠格事由への不該当
申請者(法人の場合は業務を行う役員全員、個人の場合は事業者本人)が、過去に薬機法違反による取消処分を受けていないことや、麻薬中毒者でないことなどの要件を満たしている必要があります。
2. 薬局開設までの具体的な流れ
薬局開設の手続きは、物件の契約や内装工事と並行して進める必要があります。一般的なスケジュールは以下の通りです。
STEP 1:保健所への事前相談(着工・契約の1〜2ヶ月前)
最も重要なフェーズです。物件の図面(内装レイアウト案)を持参し、管轄の保健所(兵庫県内の各健康福祉事務所や市立保健所など)へ事前確認を行います。工事完了後に「調剤室の広さが足りない」「構造が認められない」となると、多大な改修費用が発生するため、必ず工事前に図面確認を受けます。
STEP 2:開設許可申請書の提出(開設予定日の約3〜4週間前)
申請書とともに、以下の書類を揃えて保健所へ提出します(申請手数料が必要です)。
- 営業所の構造設備の概要図(平面図・立体図)
- 管理薬剤師および勤務薬剤師の薬剤師免状の写し、雇用証明書
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 放射線器具等や麻薬取扱に関する届出(必要な場合)
STEP 3:保健所による現地実査(実地検査)
内装工事や機器の搬入が完了した段階で、保健所の監視員が薬局へ訪問します。提出した図面通りに調剤室が作られているか、調剤機器や水周り、鍵付き金庫などが備わっているかを厳密に検査します。
STEP 4:許可書の交付・保険薬局の指定申請
現地検査で問題がなければ「薬局開設許可証」が交付されます。調剤薬局として処方箋を受け付けるためには、許可取得後に近畿厚生局(兵庫事務所など)へ「保険薬局指定申請」を行う必要があります。
3. 失敗しないための開業時の注意点
- 「薬局開設許可」と「保険薬局指定」のスケジュールズレに注意 保険薬局の指定は締め切り日(毎月15日など)が決まっており、指定を受けないと保険調剤ができません。薬局開設許可と保険指定のスケジュールを逆算して準備を進めることが不可欠です。
- 事業承継(M&A・居抜き)の場合も「新規許可」が必要になるケースが多い 既存の薬局を引き継ぐ場合でも、開設者が変わる(個人から法人へ、別の会社へ)場合は、届出ではなく「新規の開設許可申請」が必要となります。
薬局開設・独立申請はご相談ください
独立開業や調剤薬局の新規開設は、建築図面のチェックから保健所・厚生局とのやり取りまで、多岐にわたる専門手続きが必要です。
ツクヨミ行政書士事務所では、主に兵庫県内での調剤薬局の開設許可申請、保険薬局の指定申請、事業承継にともなう手続きをトータルでサポートしております。
- 「物件の図面が保健所の要件を満たしているか確認したい」
- 「開業スケジュールに合わせてスムーズに許可を取りたい」
とお悩みの薬剤師様・事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話(080-7010-9353)にてご相談ください。

