医療機器の販売手続き
医療機器の販売を始めたいけれど、手続きが分からない…と悩んでいませんか?

1. 医療機器販売業の許可が必要なケース
医療機器を販売・授与(無償であげたり貸し出したりすること)する場合、扱う医療機器の「リスク分類(クラス)」によって、事前に行政への申請や届出が必要かどうかが厳しく定められています。
「自社で取り扱う商品がどれに該当するか分からない」という方は、まず以下の表と分類を参考にしてください。
| リスク分類対象となる | 対象となる主な製品 | 必要な手続き |
| 高度管理医療機器(クラスIII・IV) | コンタクトレンズ、AED、人工透析装置、ペースメーカーなど | 許可(最も厳しい基準) |
| 管理医療機器(クラスII) | 家庭用マッサージ器、補聴器、電子体温計、MRI、超音波診断装置など | 届出(事前届出が必要) |
| 一般医療機器(クラスI) | 救急絆創膏、ピンセット、手術用手袋、X線フィルムなど | 不要(特別な手続きなし) |
① 高度管理医療機器(クラスIII・IV):【許可】が必要
人体へのリスクが比較的高い医療機器です。コンタクトレンズ販売やAEDの取り扱いを行う場合は、必ず保健所等へ「高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可」を申請し、許可を取得してからでなければ営業できません。 管理者(営業所管理者)の設置や、店舗の構造設備要件を満たす必要があります。
② 管理医療機器(クラスII):【届出】が必要
高度管理医療機器ほどリスクは高くないものの、適正な管理が求められる機器です。家庭用のマッサージ器や補聴器などを取り扱う場合でも、あらかじめ保健所へ「管理医療機器等販売業・貸与業の届出」を出す必要があります。
③ オンラインショップ(ネット通販)で販売する場合も対象
「実店舗を持たず、ネット通販のみで販売する」という場合でも、保管場所や発送業務を行う拠点がある限り、店舗と同様に許可や届出が必要になります。「ネットだから手続き不要」と思い込んで販売してしまうと、薬機法違反(無許可販売)となる可能性があるため注意が必要です。
2. 許可を取得するための3つの要件
高度管理医療機器等の販売業許可を取得するには、薬機法で定められた厳しい基準をクリアしなければなりません。大きく分けて「構造設備」「人(管理者)」「欠格事由(人的要件)」の3つの要件があります。
① 店舗の構造設備要件(場所の基準)
営業所(店舗・オフィス)が医療機器を安全に保管・販売できる環境である必要があります。
- 清潔で衛生的な環境: 採光や換気が適切で、清潔が保たれていること。
- 適切な保管スペース: 取扱製品に応じた適切な広さがあり、他の商品と混ざらないよう区画整理されていること。
- 居住スペースや他店舗との区別: 住居スペース(自宅兼事務所の場合など)や他の営業所・会社と明確に区分(壁やドア等で仕切られている)されていること。
② 営業所管理者の設置(人の基準)
営業所ごとに、医療機器を適正に管理するための「常勤の営業所管理者」を1名以上配置しなければなりません。
- 資格・実務経験の要件: 誰でも管理者になれるわけではなく、指定の講習(高度管理医療機器等営業所管理者講習)の受講修了や、医療機器の販売・製造等に関する一定期間(通常1〜3年程度)の実務経験が必要です。
- 専任性: 原則として、その営業所に常勤し、他の営業所との兼任は認められません。自治体によっては、常駐していることの確認書類を求められることもあります。
③ 申請者(役員等)の欠格事由(適合性)
申請者(法人の場合は業務を行う役員全員、個人の場合は事業者本人)が、以下の欠格事由に該当していないことが条件です。
- 過去に薬機法などの法律違反により取消処分を受けてから一定期間が経過していないこと
- 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者でないこと
- 成年被後見人や心身の障害により業務を適正に行えない状態でないこと(診断書の提出が必要な場合があります)
【ポイント】
特に「自宅兼事務所」や「シェアオフィス」で申請する場合は、構造設備要件(区画の分離)で不許可や改修指示となるケースが多く見られます。物件を契約する前や申請準備の段階で、必ず図面等をもとに事前確認を行うことが重要です。
3. 申請の流れと注意点
兵庫県で高度管理医療機器等の販売業許可を取得する場合、手続きは事前の相談から営業開始までおおむね1ヶ月〜1ヶ月半程度の期間がかかります。
許可申請の基本的な流れ
- 事前相談・要件の確認(申請の2〜3週間前)
- 店舗の設計図(図面)や営業所管理者の資格要件をもとに、管轄の保健所(兵庫県内の各健康福祉事務所など)へ事前に相談・打合せを行います。
- 申請書類の作成・提出
- 申請書、営業所の構造設備の概要図、管理者の資格を証する書類(講習修了証など)、登記事項証明書(法人の場合)などを揃えて保健所へ提出します。同時に申請手数料を納付します。
- 保健所による現地実査(実地調査)
- 保健所の担当者が実際に営業所へ訪問し、事前提出した図面通りに設備が整っているか、保管スペースや清潔さが保たれているかを検査します。
- 許可書の交付・営業開始
- 実地調査で問題がなければ許可書が交付され、正式に営業を開始することができます。
申請時に気をつけたい3つの注意点
- ① 事業開始(開店)予定日からの逆算が必要 「来月からコンタクトレンズやAEDの販売を始めたい」と思っても、書類提出から許可書発行までに通常2〜3週間程度の標準処理期間がかかります。物件の契約や商品の仕入れ計画は、許可取得のスケジュールに合わせて余裕を持って進める必要があります。
- ② 図面チェック(事前相談)をスキップしない 内装工事やレイアウト変更が終わった後に保健所へ持ち込むと、「壁で仕切られていないため要件を満たさない」として工事のやり直しが発生することがあります。必ず内装工事や契約の段階で保健所に図面を確認してもらうことが大切です。
- ③ 管理者講習の受講日程に注意する 営業所管理者に必要な資格講習(高度管理医療機器等営業所管理者講習)は、開催日程や定員が限られています。申請に間に合うタイミングで受講できるよう、早めのスケジュール確認が必要です。
医療機器販売業許可はご相談ください
医療機器販売業の許可取得には、取扱商品の明確な分類判断、店舗の要件チェック、各種証明書類の収集など、専門的な知識と時間が必要です。
当ツクヨミ行政書士事務所では、関西圏の医療機器販売業・貸与業の許可申請・届出手続きをスピーディーにフルサポートしております。
- 「自社で扱う商品が許可対象になるか知りたい」
- 「管轄保健所との事前協議や現地立ち会いを任せたい」
とお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。
